雑学王は日置昌一
雑学とは「雑多な事物に関する多方面にわたる系統立っていない学問・知識」という意味として、言葉としては戦前から「雑学の大家」などの語が使われるが、雑学本が出版されるのは1960年代以降である。坂口安吾に「私の義兄紅邨もヒマにあかした雑学家で話の泉のお客ぐらいは楽につとまる物識りであるが」(新潮1951年1月号「我が人生観 安吾風流譚8」に見える。山本健吉「露伴の雑学」(文学界1969年2月号)など古い事例である。坂口がいう「話の泉」とは1946年から1964年まで続いたラジオ番組。日本人の雑学への関心を高めたといえる。現在、唐沢俊一が雑学王として活躍している。「古本マニア雑学ノート、人生に大切なことはすべて古本屋で学んだ」(1996年)など著書多数。ところで我が国の元祖雑学王は誰か?日置昌一(1904-1960)であろう。「話の大事典」(1950-1951)、「ものしり事典」(1952-1954)、「ことばの事典」(1955)を刊行している。1970年に植草甚一の「ぼくは散歩と雑学がすき」が世に出る。これから雑学本がよく売れるようになる。
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