シャボン玉の謎
「シャボン玉」は野口雨情作詞、中山晋平作曲の童謡である。歌詞が雑誌「金の塔」に発表されたのは1922年のことである。そして翌年に中山晋平の譜面集「童謡小曲」に童謡「シャボン玉」が掲載された。野口雨情(1882-1945)が「シャボン玉」を書いたのは、幼児が急病で亡くなった悲しみから鎮魂の気持ちが込められているというのが通説である。最初の妻・ひろとの間に生れた長女みどりは一週間ほどで亡くなっている。1907年10月のことである。のちに雨情は再婚し、妻・つるとのあいだに恒子が生まれた。恒子が亡くなったのは1924年9月のことで「シャボン玉」の作詞より後のことである。他説では、雨情が四国に旅行中に、日ごろかわいがっていた親戚の男の子が急病で亡くなったとする説がある。しかし、これらを裏付ける決定的な資料は無い。また雨情自身が子どもの死との関係について触れている資料は一切ない。シャボン玉鎮魂説は憶測の域をでないのである。
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