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2016年12月 6日 (火)

映画のキス・シーン

Call_of_the_yukon_in_japan_1945

  戦後初めてアメリカ映画が公開されたのは、昭和20年12月6日、西部劇「ユーコンの叫び」(ビヴァリー・ロバーツ主演,1938年制作)が東京の日劇と日比谷映画で上映された。そして昭和21年2月封切りの「春の序曲」(ディアナ・ダービン主演)と「キュリー夫人」(グリア・ガースン主演)も大ヒットした。(ともに1943年制作) 映画館は長蛇の列をなした。

    占領軍は毎週2本の作品を公開し、1本は娯楽作品、もう1本は民主主義の啓蒙に役立つ作品とする基本方針を立てた。つまり「春の序曲」は娯楽作品、「キュリー夫人」は啓蒙的な内容をもった作品というわけだ。

    「カサブランカ」(1942年製作)「ガス燈」(1944年製作)も昭和21年に公開され、イングリッド・バーグマンの人気は沸騰した。さらに5年間の空白を一気に埋めるかのようにバーグマンの主演作が続々と上映された。昭和23年「聖メリイの鐘」(1945年製作)、昭和24年「汚名」(1946年製作)、昭和25年「サラトガ本線」(1945年製作)、昭和26年「白い恐怖」(1945年製作)、昭和27年「凱旋門」(1948年製作)、昭和27年「誰がために鐘は鳴る」(1943年製作)、

    6年間にバーグマンのこれまでの代表作が観ることができたのであるから、この時代、日本での最高の人気女優が彼女であったことは間違いない。とくにヒッチコック監督の「汚名」は、戦後に製作された映画であり、イングリッド・バーグマン&ケーリー・グラントという美男美女カップルのため、スリラーよりもラブシーンが話題となった。当時「キス・シーンは3秒まで」という規定があったが、ヒッチコックはこの規定を逆手に取り、二人が愛し合うシーンでは、3秒以内の短いキスを何回も続けさせた。その結果、二人のキス・シーンは2分半にも及び官能描写が話題となり興行的に大ヒツトを記録した。「汚名」の「あらすじ」を紹介する。

    第二次世界大戦も終わりに近い頃、アメリカの法廷で、ひとりの男がナチスのスパイとして懲役20年の刑を宣告された。そのため、娘のアリシア・フーバーマン(イングリッド・バーグマン)世間から冷たい目で見られていた。

    ある夜のパーティーで友達からデブリン(ケーリー・グラント)という男を紹介される。悲しみを紛らすためにひどく酔ったアリシアは、デブリンと夜のドライブに行き途中でスピード違反のために警察につかまるが、その時デブリンが示した手帳から彼が何やら警察と関係ある男だと知って狂気のように怒った。

    デブリンは彼女の気を静めるために殴って家へ連れ帰り、その夜ひと晩中アリシアを看護した。翌朝、デブリンは自分がFBI情報部の一員であり、南米におけるナチのスパイ組織を調査するために、一緒にリオへ行ってくれるようにと頼みこむ。

    南米へ飛ぶ飛行機上で、アリシアは父が毒薬自殺したことを知る。アリシアとデブリンは仕事の束の間に本当の恋におちいった。やがて命令が与えられる。それはリオに亡命している金持の団体が何か陰謀を企んでいるので、その実態を調査することだった。

    アリシアはその一団の一員であるアレックス・セバスチャン(クロード・レーンズ)がかつての父の友人であり、以前彼女を恋していたこともあって、セバスチャンの身辺を探るよう命令される。偶然のような再会。アレックスは母親(ミルドレッド・ナトウィック)や来合わせていた客達を紹介した。そしてセバスチャンは熱心にアリシアとの結婚を望んだ。それに対して何の反応も示さないデブリンにつらあてするかのように、アリシアは求婚を受け入れた。

    新婚旅行から帰った日、アリシアは地下の酒倉の鍵をいつもセバスチャンが持っているのを知り、その中に秘密があることを感じとった。そしてデブリンと秘かに公園で連絡した時その話を告げる。

    結婚披露のパーティーでデブリンは招待客として招かれる。そしてアリシアが夫の鍵束から外しておいた酒倉の鍵を受け取り地下室に降りていった。ふたりは暗い酒倉で逢引きをする。そしてワインの瓶の中に黒い粉を発見する。その時、足音がしてセバスチャンが現れた。ふたりは密会中を見られたようにとりつくろう。その後、再び鍵束に地下室の鍵がついているのを見てセバスチャンは妻の行動に疑問を持つようになる。セバスチャンが最も恐れたのは、自分がアメリカのスパイを妻にしてしまった大きなミスを仲間に知られることだ。母親は、毒薬を少しずつアリシアに飲ませて病気で死んだように見せかける方法を提案する。

    デブリンの上官プレスコット(ルイス・カルハーン)は瓶の中の黒粉が原子爆弾に使われるウラニウム鉱であることを知って驚く。ドイツもまた原子爆弾の開発に力を入れていることが分かる。

    その間にもアリシアは毒薬入りのコーヒーを飲まされ、次第に衰弱していった。一方、デブリンも連絡のないアリシアの身を案じて単身セバスチャンの邸へと乗り込み、彼女を連れ出そうとした。それを制止しようとあせるセバスチャンの態度に、居合わせたナチス党員たちの疑惑の目が集中する。スパイとしての彼の失策は明らかとなった。アリシアとデブリンにようやく平和な恋が訪れた。

   原子爆弾の話は、撮影直前(1945年10月)になった、ヒッチコックによって書き加えられたためである。

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