増え続ける資料
国立国会図書館には、1日で何冊くらい増えているのだろうか?納本制度なので単行本なら300冊から400冊くらいは届けられる。雑誌・新聞ならダンボール約10箱分が届いている。(2007年の月報より)これらの資料が永く保存され、正確な目録が作成されて、いつでも利用できるようにされている。しかし、おそらくすべての資料に実際に目をとおしたり、読んで記憶したりする人は誰もいない。たぶんほとんどの資料は多くの人に目もふれることなく、書庫の奥深く保管されていく。いかなる読書家・収集家であろうと、これら資料の1パーセントも人の目にふれることはないだろう。だが図書館の基本的な使命は、利用者が必要とする資料を提供することにある。そして、現在の利用者だけでなく、未来の利用者に対しても資料を提供していかなければならい。あるとき、会議で本の背ラベルに受け入れ年、西暦の2桁を入れる提案がだされたことがある。理由は廃棄のときに5年以上前の本をぬきだす作業がしやすくなるというのである。効率的、機械的なことが優先される時代であったが、私は猛反対した。資料保存が未来の身だ見ぬ人のためであることを忘れてはならない。
« 熟字訓 | トップページ | 近世日本史の重要人物6人 »
コメント