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2016年11月12日 (土)

ゴッホとイタリアの女

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  1886年冬から1888年2月19日まで、ゴッホのパリ時代といわれる。パリではロートレック、エミール・ベルナール、ドガ、ピサロら印象派の画家たちと親しくなり、日本の浮世絵版画とも出会った。だがわずか1年ばかりで南仏アルルへ行ったのはなぜだろう。陰鬱なパリの気候、あるいは深酒の習慣を治したかったのか。それともう一つ考えられるのは、13歳年上のイタリア女性アゴスティーナ・セガトーリ(1841-1910)とのただならぬ愛人関係である。彼女をモデルとした数枚の絵が残っている。「カフェー・タンブランのアゴスティーナ・セガトーリ」(別名タンブランの女,1887)、「イタリアの女」(1887)である。クリッシー通りにあるいかがわしい酒場デュ・タンブラン(キャバレー)の女主人セガトーリはイタリア生れの46歳。「タンブランの女」(F370)には仕事を終えてほっとしている表情にどこか虚ろにみえる。煙草と飲酒によって疲れている様子がうかがえる。ゴッホもパリでアブサンを飲むことをおぼえ、健康を損なうようになった。「イタリアの女」(F381)もモデルはセガトーリとするのが定説である。ニューヨーク個人蔵の「草原に座る女」(F367)はモネの影響が見えるが、モデルはやはりセガトーリであるかもしれない。

 

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 草原に座る女

( keyword;van Gogh,Agostina Segatori,Paris Clicy,Femme au Tambourin )

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