長たらしいタイトル・書名
フジテレビで「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」(実写版)という長いタイトルのドラマが放送されたことがある。映画には、スタンリー・キューブリック監督、ピーター・セラーズ主演で、1963年制作された、「博士の異常な愛情または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」というやたらと長い題名のものがあった。
書物の世界でいちばん長い題名のものは正確にはわからない。一説では17世紀のベストセラーで、「古代および現代の哲学者、自然の秘密、また算術、幾何学、宇宙形状学、時計学、天文学、航海術、音楽、光学、建築、統計学、力学、化学、噴水、花火等の実験により抽出された、現在までに一般には明らかにされていない数学の娯楽および雑多な問題集、大部分の原典はギリシャ語およびラテン語で書かれ、近年フランス語でヘンリー・ヴェン・エッテン・ゲントにより編纂され、そして現在、検証、訂正、付録を加えて英語版で登場」というものである。(野口悠紀雄「超勉強法」)
ダニエル・デフォーの「ロビンソン・クルーソー」の原題名は小説の中で世界一長いことで有名である。トマス・モアの「ユートピア」も著名なタイトルだが、原題は「最良の社会体制ならびにユートピア新島について。いとも著名にして、雄弁なるトマス・モアによる、機知に富むばかりか、効能もある、真の黄金の書物・・・・」と長たらしい。
日本語文献では、「クレーム・パワハラ・理不尽な要求を必ず黙らせる切り返し話術55の鉄則」神岡真司 TAC出版 2010年刊行、がある。(33文字)
「日本映画のほんとうの面白さをご存知ですか?」白井佳夫 講談社 1981年刊行(20文字)
「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」マックス・ウェーバー 岩波文庫(21文字)
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの『マネジメント』を読んだら」 岩崎夏海 (35文字)
「分ければ見つかる知っている漢字白川静先生に学んで漢字の学習システムをつくる宮下久夫遺稿集」 宮下久夫 太郎次郎社 2000年刊行(44文字)
「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」村上春樹(19文字)
「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」黒井勇人(25文字)
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