無料ブログはココログ

« 上杉謙信と武田信玄 | トップページ | サムバディ・ストール・マイ・ギャル »

2016年9月10日 (土)

田園交響楽

   アンドレ・ジイドの「田園交響楽」。盲目の少女ジェルトリュードは、牧師に拾われ、その教育の下でしだいに美しく知的になっていった。しかし待ち望んでいた開眼手術の後、彼女は川に身を投げて死んでしまう。牧師と盲目の少女、牧師の妻と息子との4人の愛憎を描く。少女ジェルトリュードの翻案物は戦前には原節子が演じたが、東芝日曜劇場で倉本聰脚本で仁科明子が演じている。19歳くらいで初々しい。有珠山ロケも見所。この当時、売れっ子女優といえば内藤洋子、榊原るみ、吉沢京子あたりだが、みな声がイマイチだ。仁科は意外と声が綺麗な女優さんだった。木村功と仁科との会話はラジオドラマのような快感を感じる。

原作はスイスのアルプスを望む山村である。ある日、牧師はジェルリュードを初めての音楽会に連れて行った。曲目はベートーベンの田園交響楽だった。会場を出てからも、ジェルトリュードはずっと黙り続けていて、深い法悦にひたってる様子だった。「あなたがたの見てらっしゃる世界は、本当にあんなに美しいのですか?」彼女はやがてこう言った。「あんなに、って言うのは?」「あの『小川のほとりの景色』のように」私はすぐには答えられなかった。牧師はジュルトリュードに悪や罪の死のことをまだ教えていなかった。そのため、彼女は音楽会での美しい諧調が実世界を表わしたものと思い込んだのだ。

« 上杉謙信と武田信玄 | トップページ | サムバディ・ストール・マイ・ギャル »

「世界文学」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 上杉謙信と武田信玄 | トップページ | サムバディ・ストール・マイ・ギャル »

最近のトラックバック

2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31