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2016年9月26日 (月)

木田金次郎

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  木田金次郎 「晩秋」 1924年

    「今日は何の日カレンダー」を見ると、9月26日は昭和34年、伊勢湾台風があった。昭和29年には青函連絡船洞爺丸沈没の事件があった。あれから61年が経った。同日に北海道ではもう一つ大きな災害があった。岩内町大火だ。台風15号のため避難した民家から出火し、約3500戸が焼失し、被災者は1万7500人という大火だった。死亡者35人、行方不明者45人。洞爺丸事故の陰にかくれたため、災害援助対策が軌道に乗らず、悲惨な状況だった。岩内で有名なことはもう一つある。木田金次郎美術館というのが平成6年に開館している。有島武郎の小説「生まれ出ずる悩み」(大正7年)のモデルが木田金次郎(1893-1962)である。有島は大正12年に軽井沢で波多野秋子と心中するので、木田金次郎の後半生を知らずに死んだことになる。木田は逆境にも負けることなく、自らの天分を生かして画業に務めた。これを有島武郎が知ればどんなに喜んだだろう。「生まれ出ずる悩み」も感動的だが、木田金次郎の人生そのものはもっと感動的である。木田は昭和29年の岩内大火で多くの作品を焼失したが、その後も精力的な創作を続けた。木田と有島との結びつきに猛烈な感動を覚える。

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コメント

木田金次郎の紹介、ありがとうございます。
わたしの所属する同人誌「人間像」は北海道最古の同人誌で、初期の頃、この岩内地方在住、もしくは出身者が多くおりました。金次郎が岩内の大火で多くの作品を消失したことはしられたことですが、有島武郎亡き後、彼が大きく羽ばたいた画家であったことは嬉しいことです。(v^ー゜)ヤッタネ!!

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