張良、太公望の兵法をさずかる
張良(?-前168年)は秦に滅ぼされた韓王室の一族であった。その仇を報いようと始皇帝の暗殺を企てたが失敗に終わる。下邳に身を隠していた時、川のほとりで一人の老人に出会う。その老人が誤って自分の沓を川に落とし、張良にその沓を拾わせた。その老人は黄石公といい、張良に太公望の兵法(『六韜』)を授け、これによって張良は漢の劉邦の軍師となった。司馬遷の『史記』留候伝に書かれたこの伝説は日本中世でも好まれ、室町時代以降、絵画や工芸品の題材として多く表わされている。画像の鞍(くら)には黒漆に沈金の技法で中国の故事を図案にしている。(引用文献:「本郷 2008.1」吉川弘文館)
「黄石公図」 方西園 江戸時代(1783年)
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