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2016年7月22日 (金)

「赤と黒」の題名

Img_0006_2     「赤と黒」(1830年出版)は、スタンダールの故郷グルノーブルに近いある村で起こった犯罪にそのまま題材を得ている。1827年7月22日、アントワーヌ・ベルテという青年は、家庭教師先の夫人や娘を誘惑し、最後にその夫人を狙撃して死刑になった。

    なお、「赤と黒」という風変わりな題名については、出版当時からさまざまな解釈が行なわれ、運命が赤か黒かによって決定されるルーレットに人生をたとえたのだとする説もあるが、ポール・ブールジェのいうように、「赤」は軍服、「黒」は僧衣を象徴し、それらによってナポレオン没落後、武勲による立身の希望を失ったフランスの貧しい青年が、いかにして社会に進出せんとしたか、を示したものと今日では一般的に解釈されているようである。スタンダール自信の残したノートによると「赤」は共和主義者を意味したらしい。後に書いた未完小説「リュシアン・ルーヴェン」(1835年)を「赤と白」と題しようとしたことがあり、そのとき「赤」をもって共和派のリュシアンを、「白」をもって王党派のシャストレ夫人を示すつもりだった。このことからも、赤はジュリアンの共和主義精神を、黒は僧侶階級を示していると見ることが妥当であろう。

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