一石二鳥
一つのことで二つの目的を果たしたり、よい結果をおさめたりするときに用いられることばとして誰もが知っている。語源は中国の故事成語ではなく、「To kill two birds with one stone.ひとつの石で二羽の鳥をおとす(殺す)」という17世紀イギリスの諺。明治時代、日本人が英語から翻訳したものだが、誰が訳したのか不明である。中国では、これと同じ意味の言い方に「壮年、一箭、双鵰ヲ落トス」とある。(南宋・陸游の詩)1本の矢で二羽のワシを射た、という意味。のちに「一箭双鵰」を一つの行動で二つの目的を果たす、という意味で用いるようになった。なお現代中国語では「一石二鳥」が用いられるようになっている。中国の辞典「現代漢語詞典」には初版以来、2005年の第5版に至るまで一貫して「一石二鳥」を採録していなかったが、2012版年の第6版に至ってようやくこの語を収めている。日本で作られた「一石二鳥」は漢語として違和感がないため徐々に中国語のなかに浸透していたのである。
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