傘好きハンウェイ
傘や笠は、古くから世界各地でさまざまなものが作られた。天蓋式の傘は古くから中国にあり、日本にも奈良時代に伝わっている。開閉の自在な傘が現われたのは「近世世事談」によれば1594年に堺の商人が豊臣秀吉に献じたのが初めとされ、ヨーロッパからもたらされたことがわかる。西欧ではルネサンスの時代に貴婦人の間で日傘が流行した。しかし男性が雨傘をさすという習慣はほとんどなかった。1750年ころイギリスの貿易商ジョナス・ハンウェイ(1712-1786)は世界中を旅行するうちペルシャで人々が雨の日に傘をさす光景をみかけた。パリで開閉式の傘を買って、彼は雨の日も晴れの日も30年間いつも傘を携帯してロンドンの街を歩いた。初めは女みたいだと人々の嘲笑をかうが、雨傘の実用性と経済性が次第に認識され、やがては傘は英国紳士のシンボルと言われるようになった。 Jonas Hanway
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