点字新聞事始
点字とは紙面の突起した点を指先の触覚により読み書きの用を果たす盲人用の文字である。日本点字は明治23年、東京盲唖学校訓導、石川倉次(1859-1944)がフランスのルイ・ブライユ(1809-1852)の縦3点、横2点を基本とする6点点字をアレンジして考案、明治34年には拗音を加えて完成を見る。
週刊点字新聞「点字毎日」は、「点毎」の愛称で大正11年5月11日、創刊された。英国留学から帰国した中村京太郎(1880-1964)は東京で点字新聞「あけぼの」を自力で細々と発行していた。好本督(1878-1973)らの強い働きかけで大阪毎日新聞社を動かし、大毎本社新築記念事業として点字毎日の発行が決まった。中村を編集主任に迎え、大野加久二(1897-1983)、小畠謹一の3人に、中村夫人アツを迎えて点字新聞の編集が始まった。
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