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2016年5月23日 (月)

最近あまり読まれなくなった昭和の作家たち

Hirabayata   なにか面白い読み物はないか。毎日そんなことばかり呟く。図書館から借りて来た大庭登の「昭和の作家たち 誰も書かなかった37人の素顔」 簡潔に作家の評伝が書かれていて読書案内によい。企業誌「大塚薬報」に昭和56年から59年に連載されたものである。みな有名な作家ばかりだが、横光利一、川端康成や太宰治、織田作之助、火野葦平、吉川英治、川口松太郎、井上靖、石坂洋次郎といった人気作家がのっていない。むしろ最近あまり読まれなくなった作家をあえて選んでいるような気がする。その昭和期よく読まれて、最近ほとんど読まれなくなった作家といえば、源氏鶏太や獅子文六、平林たい子らが代表であろう。とくに平林は、かつて女流作家といえば林芙美子、宮本百合子らと並んで長らく、女流作家の第一人者だった。最近、平林たい子の作品が話題になることはほとんどない。林芙美子「放浪記」、宮本百合子「伸子」と代表作があるが、平林の代表作はなにか。戦前の平林には長篇の作品はない。最初の長篇「地底の歌」(昭和23年)、自伝的な作品の「砂漠の花」(昭和30年)あたりか。平林は戦後転向して「地底の歌」のようなヤクザものを書く続けた。プロレタリアから右翼へと大きく変遷している女流作家を理解するにはあまりに時が流れたようである。ところが「地底の歌」読み始めるとなかなか面白そうである。「平林たい子文学賞」というのがあるから名前はその高名はいまも健在である。谷崎潤一郎「痴人の愛」や太宰治「人間失格」はいま読んでも新しい。没後32年になる有𠮷佐和子も「恍惚の人」「複合汚染」など多数のベストセラーをもつが、あまり読み継がれていく作家とは思えない。

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コメント

「地底の歌」のヒロインの名前は山田花子。ドラマ化されるときは改名されるかな。

シドニー・シェルダン

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