仏教伝承芸能「仏舞」
仏舞(ほとけのまい)の正確な由来は不詳であるが、奈良時代に唐から伝えられた宮廷舞楽が各地に伝播したものといわれる。現在全国各地に数箇所残されている。
「松尾の仏舞」京都府舞鶴市松尾、松尾寺(まつのおでら)、毎年5月8日)、
「糸崎の仏舞」福井県福井市糸崎、糸崎寺、隔年4月18日
「小國の仏舞」静岡県岡智郡森町一宮、小國神社の十二段舞楽、4月18日に近い日曜
「花園の仏舞」和歌山県伊都郡かつらぎ町
「隠岐国分寺の仏舞」
「松尾寺の仏舞」は江戸時代から伝わる民俗芸能で、大日如来、釈迦如来、阿弥陀如来の三像の面をつけた優雅な舞が奉納される。「糸崎の仏舞」は、鷹巣海岸にある真言宗智山派・育王山龍華院糸崎寺の糸崎観音堂の正面に設けられた石組の舞台で披露される。金色の菩薩面に黒染めの法衣をまとい、鐘や太鼓にあわせて幻想的な舞を奉納する。舞手は糸崎に住みここで産湯を浸かった長男に限られる。唐の高僧禅海が糸崎寺を訪れたとき、その景観が明州育王山に酷似していることに喜び、菩薩や天女が喜びの舞を踊ったことが仏舞の由来とされる。全国に仏舞は伝わるが、昔ながらの舞を伝承しているところは少なく、重要無形民俗文化財に指定された。大陸から渡来した奈良時代の舞楽を今に伝える伝統芸能である。島根県の隠岐は平安時代から伝承される「隠岐国分寺蓮華会舞」など貴重な伝統芸能の宝庫である。
« ブログのネタは入浴が一番 | トップページ | フローベールの一語説 »
コメント