あの山越えて養老院へ
本日は「母の日」。日頃の母の労苦を労わり、母への感謝を表わす日である。母性愛を主題とした物語や映画は古来から数多くある。母もの映画といえば、戦後の三益愛子の大映作品、また近年では吉永小百合が「母べえ」「母と暮せば」がある。アメリカ映画ではバーバラ・スタンウィックの「ステラ・ダラス」、戦後のジェーン・ワイマン、ラナ・ターナーの作品など。母もの映画のルーツはサイレントの「オーヴァー・ゼ・ヒル」(1920)といわれる。壮年時代から老年にいたるまでをメアリー・カー(1874-1973)が自然に演じている。アメリカの貧しい農村が舞台で、父母と五人の子供たち。母はやがて年老いて養老院に入れられるが、成長した子供の1人が引き取り、一緒に幸せに暮らす。詩人ウィル・カークウッドの詩「あの山越えて養老院へ」という詩が原作である。映画はニューヨークで1年以上も大入り満員を取り、25000本プリントを製作したとか、いかに多くの人に愛された映画であるか分かろう。1931年にヘンリー・キング監督で「オーバー・ザ・ヒル」として再映画化。小学館の少年少女世界の名作文学16に「あの山越えて」村松千代の訳で知られる。 Over the Hill to the Poorhouse
« フローベールの一語説 | トップページ | 神尾春央(かんお はるひで)の年貢増徴策 »
コメント