男女の待ち合わせ場所、今昔
東京の男女待ち合わせスポットとしては渋谷ハチ公前が有名である。そのほかに銀座三越前のライオン像、和光デパート、有楽町マルイ、数寄屋橋交番など。江戸で最も有名なスポットは浅草の仁王門だった。それはどうしてか。 そこが男女の出会いの場になったのには、久米平内(1616-1683)という人物が関係している。彼は剣術の達人で、千人斬りの願を起こして、夜ごと辻斬りに出たとされる。その後、禅の修行をして改心して、その罪滅ぼしに、自分の像を石で刻み、それを浅草の仁王門前に埋め、多くの人々に踏みつけてもらった。江戸っ子たちが、その「踏みつける」を「文(ふみ)つける」(恋文を渡す)と読み変えた。そこから仁王門前は、男女の出会いの場になっていったのである。のちにその像は、仁王門横の祠に収められた。「江戸名所図会」にその像の絵が載っている。
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