朝鮮族のブランコ乗り
大きなブランコ乗りは朝鮮族の良家(両班)の娘たちの伝統的な遊戯である。その歴史は古く朝鮮王朝以前の高麗時代にさかのぼる。「春香伝」には試験を控えた夢龍が春の野の中でクネ(鞦韆)を漕いでいる一人の美しい女性、春香を見て恋に落ちる場面がある。夢龍ならずとも華やかなチマの裳裾が風にふわりふわりとふくらみひるがえる様子には胸ときめかす風情があろう。朝鮮では、旧暦4月8日から5月5日までの期間、女性が特設の長いブランコを楽しむ風習(クネトゥィギ)がある。大きな木の枝に縄を張り、足板を付けて作る。縄の長さは相当に長い。村の広場などで、どこまで高く漕げるか、女性たちは競技をしていたという。
日本でもブランコは「由佐波利」(ゆさはり)とか漢語で「鞦韆」とも呼ばれ古くからあった。しかしブランコは子どもが楽しむもので朝鮮のような長いブランコはなかった。語源はポルトガル語balanco からとの説、その形から「ブラリ」「ブラン」から由来する説などあるが明らかでない。
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