ナポレオンと酒
皇帝ナポレオン・ボナパルトは高級ブランデーにその名がついていることから、さぞかし酒好きと思われるかたも多いが、実はあまり酒が飲めず、コーヒーを好んだといわれる。高級ワインを水で薄めて飲んでいた。ではどうしてブランデーにナポレオンという名称が付いたのか。1811年、ロシア遠征の前の年のこと、ヨーロッパの空に彗星が現れた。彗星は不吉な出来事とされていたのだ、人々は、戦争や飢饉が起こるのではないかと心配した。しかし、案に相違して、3月20日、ナポレオンの妃マリー・ルイーズがナポレオン2世(1811-1832)を出産。そのうえ、この年はまれにみる好天続きで、葡萄は空前の豊作、いわゆるビンテージ・イヤーだった。以前から彗星の出現した年のワインは「コメット・ワイン」として珍重されてきたが、この年、1811年の「コメット・ワイン」を蒸留してつくったブランデーは、ナポレオン2世の誕生にあやかって特に「ナポレオン・ブランデー」として名付けられ、珍重されてきた。今日では、世界中に残り少なくなったので、市販されることはなく、わずかに個人の酒庫に1本か2本ずつ秘蔵されている。現在、市販されているナポレオンは、これらは無関係のものである。(Napoleon,Brandy)
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