キッスは奈良時代からあった
最近、女性議員の路上チューが話題となった。日本人のキスの風習はいつ頃から始まったものであろうか?ブログ「MIKAのルンルン日記」を読むと「日本人はキスしません、と言ったものの、実際恋人同士はキスしますよね。でもそれはどうやら戦後欧米の影響を受けて始まった風習らしく、それ以前の時代の人はキスなどしたことがないらしいです。その証拠に私の78歳になるお祖母ちゃんは、そんなの人生の中で一度もしたことかない、と私に暴露してくれましたし、数年前に日本で戦前のおばあちゃん達は例えば子供がいてもキスした事が無い、ということを調査するテレビ番組を見たことがあります」と書かれている。しかし戦前に日本人はキスをしなかったという俗説は明らかな誤りで、歴史文献を漁ると日本人のキスの歴史は意外と古くからみえる。キスの習慣は奈良時代に中国から伝えられたといわれる。しかし、それはごく一部の貴族階級だけのことで、庶民の間に普及したのは江戸時代になってからでオランダ人が伝えたらしい。キスのことを口を二つに重ねることから「呂の字」といった。日本初の英和辞典「諳厄利亜語林成」では「Kiss 相呂」と載っている。 さらに、キスという言葉が「口吸い」から「接吻」という言葉になったのは明治初期のことである。キスを最初に接吻と訳したのは上田敏である。国木田独歩の恋愛日記「欺かざるの記」(1893年)には「接吻また接吻」と接吻の文字が何度も何度も出てくる。むかしの定番宴会ソング「軍隊のぞき節」の4番目の文句に「♪別れのキスもそこそこに くぐる営門2分前」とある。戦前、路上チューはあまりみられないものの、四畳半でキスは盛んにおこなわれていた。
ところで米国大学の脳科学の研究によると、キスをすると、オキシトシンという愛情ホルモンの数値が上がり、大きな多幸感をもたらす。また唾液の交換により免疫力がアップするといわれている。
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