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2016年4月 3日 (日)

伊豆の踊子

A15   川端康成(1899-1972)の短編小説「伊豆の踊子」は雑誌「文芸時代」大正15年2月号、4月号に発表され、同年、金星堂から刊行された。松竹キネマが田中絹代(1909-1977)主演で映画化したのは、それから8年も後のことである。田中絹代はすでに23歳になっていたが、口もとに指を持っていくしぐさが可愛かった。「文芸時代」は新感覚派の文芸運動の強い雑誌で、「伊豆の踊子」は初恋物語の形を借りながら、職業差別や女性の地位の低さ、貧困など根深い当時の社会問題も原作にはみられるが、五所平之助(1902-1981)監督によって「恋の花咲く伊豆の踊子」(昭和8年)という抒情味あふれる作品となり、以後の映画化にも継承されていく。昭和8年当時、ほとんどの映画がトーキーになっていたが、わざわざサイレントで撮っている。「百舌が鳴く、天城七里の峠道」という字幕で、桃割れ姿の可憐な絹代が太鼓を背負って登場する。原作では「踊り子は十七くらいに見えた。私にはわからない古風の不思議な形に大きく髪を結っていた。それが卵形の凛々しい顔を非常に小さく見せながらも、美しく調和していた。髪を豊かに誇張して描いた、稗史的な娘の絵姿のような感じだった」とある。田中絹代以降、踊子かおる役には、美空ひばり(昭和12生、当時17歳)、鰐淵晴子(昭和20年生、当時15歳)、吉永小百合(昭和20年生、当時18歳)、内藤洋子(昭和24年生、当時17歳)、山口百恵(昭和34年生、当時15歳)といずれも15歳から18歳の十代のヒロインが選ばれている。「芸術新潮、平成19年2月号」特集「おそるべし!川端康成コレクション」の記事に、川端康成と内藤洋子が並んで写っている写真が掲載されている。キャプションには「骨董屋には愛想のない川端だが、美女にはこんな優しい顔も。白いワンピースの少女は当時十七歳の女優、内藤洋子」とある。伊豆の踊子の撮影前に川端康成が面会したのは、吉永小百合と内藤洋子だけではないだろうか。とくに内藤洋子主演の「伊豆の踊子」(昭和42年、恩地日出夫監督)は川端康成公認版といえる。映画には短編「温泉宿」の挿話も含まれている。

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   ところで「伊豆の踊子」は6本の映画化作品のほか、テレビドラマとして5作品がある。かおる役には、小林千登勢、栗田ひろみ、小田茜、早瀬美里、後藤真希が演じている。昭和36年にはNHKは「連続テレビ小説」と銘打った小林千登勢「伊豆の踊子」を夜に放送した。この作品の成功により、4月3日から朝の時間帯に「娘と私」がスタートしたという。

   「伊豆の踊子」薫は女優の登竜門であるが、映画では昭和49年の山口百恵、ドラマでは平成14年の後藤真希を最後に登場していない。いま旬の10代女優のなかで、薫にふさわしいのは誰であろう。「パパとムスメの7日間」の新垣結衣(19歳)、「花ざかりの君たちへ」の堀北真希(18歳)、「山田太郎ものがたり」の多部未華子(18歳)、「天然コケッコー」の夏帆(16歳)、「受験の神様」の成海璃子(15歳)、「14歳の母」の志田未来(14歳)、「風林火山・美留姫」の菅野莉央(13歳)、「あさが来た」の小芝風花(18歳)といったところであろうか。。

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コメント

「今旬の10代女優」達も、今や20代後半になってきましたね。時の流れの早いこと…。

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