もともとは人名が由来の植物の名前
花、ことにバラの品種に女性の名をつけることはよくある。フランス王ルイ16世の妃マリー・アントワネット。その母、マリア・テレジア。伝説のプリマドンナ、マリア・カラス。最近ではマサコ(雅子)やプリンセスダイアナなどがある。
ベゴニアは亜熱帯に広く分布するシユウカイドウ科に属する植物の総称。Begoniaの名はフランス人ミシェル・べゴン Michel Begon 1638-1710の名に由来する。べゴンはフランス領アンティル諸島の総督で、植物学者シャルル・プリュミエが1700年に出版した著書に6種の植物をベゴニア属として紹介した。べゴンはプリュミエをフランス王のルイ14世に植物採集者として推薦したので、その感謝の気持ちで名づけたのだろう。
花の名には、人名から少し変えた形でつけたものが多い。ガーベラは発見したドイツの植物学者トラウゴット・ゲルベアから、カトレアは栽培し花を咲かせたイギリスのウィリアム・カトレイから付けられている。ダリアはスウェーデンの植物学者アンデシュ・ダールにちなむ。ブーゲンビリアは発見したフランス人の探検家ルイ・アントワーヌ・ド・ブーガンヴィルから、ポインセチアはアメリカ合衆国の初代メキシコ公使で発見者のジョエル・ロバーツ・ポインセットから、などと言う。
チョウノスケソウ。バラ科の小形の常緑低木。牧野富太郎は発見者の須川長之助の名にちなんで和名をつけた。
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