ジャンヌ・ダルクの指輪の謎
神の声にうながされ、片田舎から出てきたひとりの少女ジャンヌ(1412-1431)がオルレアンの町を解放したが、わずか1年ののち、異端者として処刑されたという話は誰でも知っている。しかしジャンヌ・ダルクの初期の肖像は15世紀後半のミニアチュールにも見られるものの、死後350年間は歴史上、ほとんど忘れられた存在だった。ドイツの詩人シラーが「オルレアンの少女」を書き、ナポレオンがフランスの国民意識の高揚を促すためにジャンヌ・ダルクという国民的英雄を讃えるようになったのである。
先ごろロンドンの競売でジャンヌ・ダルクの指輪が売られたという。買ったのはフランスのある財団で24万ポンドで落札した。この指はジャンヌが身に着けていたもので、のちにイギリス王のヘンリー7世が所有していたとされる。指輪は実に585年ぶりにフランスに戻ったこととなる。それにしても貧しい農家の19歳の娘がどうしてこのような高価な指輪を持っていたのかは不思議である。(Jeanne d'Arc,Schiller)
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