フリードリヒ大王と音楽
アドルフ・フォン・メンツェル画 1852年 ベルリン国立美術館蔵
プロイセンのフリードリヒ大王(1712-1786)は、ヴォルテールに師事した啓蒙専制君主として知られる。しかし、同時に、音楽の愛好家でもあり、1728年からヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ(1697-1773)にフルートを習い、1740年にはベルリン宮廷楽団を設立した芸術の保護者でもあった。しかし軍人皇帝と呼ばれた父は息子の楽器を破壊し、帝王学を教え込んだ。当のフリードリヒは、父親の抑圧から逃れるため、国外脱出まで敢行する有様であった。その反動か、即位後のフリードリヒ2世は音楽を趣味とした。王が愛用したフルートは現在もポツダムのサン・スーシー宮殿の音楽室で公開されている。
メンツェルの版画には、フリードリヒ大王、王女アンナ・アマーリア、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-1788、J.S.バッハの次男)、宮廷楽長のカルル・ハインリッヒ・グラウン、ヴァイオリンのフランツ・ベンダ、フルートのクヴァンツなどの音楽家たちがいる室内楽の様子が描かれている。
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