プラトニック・ラブは純愛ではなかった
肉体的欲望を伴わない精神的恋愛。プラトニックとはギリシアの哲学者で霊魂の不滅を主張しイデア論を唱えたプラトンのことであるが、彼自身が純潔を説いたわけではない。プラトンが恋愛について書いた「饗宴」で、「魂よりもより多くの肉体を愛する卑俗な愛人は悪い」といってるのは、その頃一般に行われていた男性間の同性愛、少年愛についての言葉なのである。ルネサンス時代の人文学者マルシリオ・フィチーノによってプラトンの著作がラテン語に翻訳され、「アモル・プラトニクス」という語が生まれた。オルセー美術館にあるジャン・デルヴィルの「プラトン・アカデミー」はプラトンの周囲に美青年たちが、その言葉に耳を傾ける姿が描かれているが怪しい雰囲気がただよう。男と女の両方の性をあわせもつアンドロギュノス(両性具有)の若者たちで、一種の理想郷的空間と解釈される。日本では近代浪漫主義運動の先駆者・北村透谷が1887年に「ラブ」として紹介して一世を風靡した。
amor platonicus,Androgynous
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