事項索引における序列と相互関係について
何万語や何十万語にも及ぶ語句を一覧表で検索するためには、アルファベットや五十音の順でソートされていにければ、求める語句を見つけることはできない。このブログにおいて五十音順で事項索引インデックスを継続して作成している。このヒントはカッターの辞書体目録にある。辞書体目録とは図書館情報学の用語で、タイトル標目、著者標目、件名標目の各目録記入と、参照とを混排した目録のことである。たとえば「アンナカレーニナ」と「あんな彼に恋しました」(架空の題名)は排列上は前後にくるであろう。
手元にある事典を引いてみる。高木彬光(推理作家)と高木市之助(国文学者)の名前はコンサイス日本人名事典では前後にくる。2人に面識があったのか、なかったのか定かではないが、事典のおける序列、排列関係に何がしかの因縁が生じることなる。もっと身近な話しとしては、私たちの会社や学校の名簿をみてみよう。自分の名前の前後にいつも特定の人物の名前が載っている。しかしその人物とは一度も面識はないし、どのような人なのかまったくわからない。たまたま電車で隣あわせに座った人、スーパーで買い物のときをレジで並ぶ後ろの人。すべて行きずりの関係であるが、何がしかの相互関係がある。このような偶然に生ずる相互関係の事象をさすようなふさわしい用語がないだろうか・・・。とりあえず私はこのような現象を「他人の関係」と呼んでいる。人名だけではなく事項についてもいえる。16世紀、17世紀頃のペルシア人の王朝、サファヴィ朝の主力軍を「キジルバシュ」というが、ウイグルの「キジル」とは無関係である。Kizilとはウイグル語で「赤い」という意味。五十音でソートすると「ワラビー」と「わらび餅」、「ギジルバシュ」と「キジル石窟」の語句は前後に並んで出てくるが他人の関係。
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