生活派歌人・西村陽吉
西村陽吉(1892-1959)は日本橋の東雲堂書店に勤め、店主の養子となる。牧水、啄木、哀果、茂吉、白秋などの歌集の出版を手がけた。やがて社会主義思想に基づく、生活派短歌への道を歩む。「都市居住者」、「街路樹」。「第一の街」などの歌集を出した。孫の西村亜希子(1943-2007)は長嶋茂雄夫人。
四五人の女工が隅にかたまりて、
弁当食ひぬ、
昼の工場。
どんよりと曇りてさむき
日本の
貧しき冬となりにけるかな
日本の青年われは
椅子に座し煙草を吸ひて
ロシアを憶ふ
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