日本で最初の遠足
日本で最初の学校給食は明治22年、山形県鶴岡町(現鶴岡市)の市立忠愛小学校といわれている。では日本で最初の遠足はどこか?早稲田大学の浜野兼一の説によると、寺山観音寺(栃木県矢板市)は日本で初めて遠足が行われた場所だそうだ。(「明治期における学校行事の研究」早稲田大学大学院教育学研究科紀要別冊9-2、2001)「明治8年旧暦1月1日、永清館(現在の矢板市立泉小学校の前身)の下級八級生約40名が近くの寺山観音寺に初詣した」のが、遠足の始まりとされる。もっとも江戸時代から寺子屋では花見や遊山程度のものはあったと思し、これって遠足?、初詣じゃないのかな、と突っ込みたくなる。ともかく学校行事としての遠足が、普及するのは明治20年代からで、運動会や修学旅行と明確に分化するのは大正時代に入ってからだそうだ。「遠足」という言葉そのものは江戸時代からあり、「遠い道のりを歩く」という意味。柳樽に「遠足の達者二人で六郎兵へ」とある。大町桂月「親子遠足の感」(明治42年)では親子3人が富士山へ遠足したことが記されている。若杉鳥子の一文に「女工さん達が監督に引率されて、遠足にでも出かけた帰りらしい」(「詩精神」独り旅、昭和9年)とあることから、「遠足」の意は必ずしも学校の校外学習としての意味だけではなかったことがわかる。
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