無料ブログはココログ

« 日本の火山帯 | トップページ | 暖流と寒流 »

2016年2月10日 (水)

歯ブラシの歴史

10064435052   毎日つかっているものでも誰の発明・考案か知らないものがある。歯ブラシの考案者イギリス人のウイリアム・アディス(1734-1808)について詳しいことは何も知らない。

    歯ブラシの歴史について簡単に記す。バビロニア人は紀元前3500年頃には口腔衛生用にチューイング・スティックを使っていたが、これは簡単に言うと端がほつれた小枝である。インドでは、軟らかくなるまで噛んだニームノキの小枝を広げて、それで歯を磨いた。1223年には中国の僧侶が、牛の骨の柄に馬の尾の毛をつけたブラシで歯をきれいにしたという記録がある。剛毛が植えられた初の歯ブラシは1500年頃の中国で考え出されたが、このときに使われた剛毛は、寒い気候の土地にいるために長くて濃い毛を生やした、ブタの首や肩からのものだった。1690年に初めて英語に「歯ブラシ」という単語が出てくるが、イギリスの古物研究家アンソニー・ウッド(1632-95年)が購入したと記録されている。1770年、ウィリアム・アディスは騒動を引き起こしたとして、投獄された。彼は投獄中で、歯をすすと塩をつけてぼろでこすってきれいにする方法には改良の余地があると考えた。そこで小動物の骨を手に入れると、それに小さな穴を開けて、看守から入手した剛毛を結んで房状にし、それを骨の穴に通して糊でくっつけたのである。別の試作品では、骨に開けた穴に馬の毛を通して、細い針金で固定した。知られている中で最初に大量生産を始めたのはこのアディスで、彼は牛の骨を刻んで柄にした歯ブラシの販売という家業を始めて、またたく間に大金持ちとなったのである。1869年には機械による初のアディスの歯ブラシの柄ができた。第一次世界大戦中、アディスは軍隊に歯ブラシを供給して、歯磨きという国民的な習慣をつくり出した。1926年までには、彼の会社は年間で180万本の歯ブラシを製造していた。1927年には、柄がプラスチックの歯ブラシが初お目見えするとともに、剛毛の植毛が機械で行われるようになった。

« 日本の火山帯 | トップページ | 暖流と寒流 »

世界史」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 日本の火山帯 | トップページ | 暖流と寒流 »

最近のトラックバック

2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31