自転車の元祖ドライジーネ
現在の自転車に近い乗り物が初めてつくられるのはフランスで、1790年にミード・ド・シュラヴラク伯爵によると言われている(が、伯爵を架空の人物だとする資料もある)。それは「セレリフェール」と名づけられ、やがて「ヴェロシフェール」の名に変わった。足で地面を蹴って進む子供のスクーターに似た木製の乗り物で、ペダルやステアリングもなく、非常に熟練した乗り手でなければ、今でいう曲乗りのように前輪を持ち上げて行きたい方向に向きを変えることはできなかった。1817年にドイツのマンハイムで、カール・フォン・ドライス(1785-1851)によって前輪にステアリングギアを備える工夫をしたドライジーネの走行テストが行われた。自転車の発明家は諸説紛々あるものの確実なのはドライジーネである(画像)。木製でペダルはついておらず、足で地面を蹴って進む乗り物である。つまり車輪を駆動しないので厳密にいうと自転車ではないが、後の自転車の礎となった。ハンドルがついているので方向転換はできた。単純な足けり二輪車ながら人間より速いことを立証したことで、自転車への発明考案が相次ぐようになった。1839年、イギリスのカークパトリック・マクミランはペダル付の自転車を考案した。まもなく14マイルの距離を1時間もかけずに移動できるようになった。彼は一度も自分の発明で特許を得たり、金銭を得たりしようとしなかった。( keyword;Draisine,Karl von Drais,Mannheim,bicycle )
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