招き猫伝説の由来
近江彦根藩主、井伊直孝(1590-1659)は江戸で鷹狩りのさい、ある貧しい寺に立ち寄った。そこで手招きする猫のおかげで落雷から命を救われた。直孝は、この寺を菩提寺とし、のち招猫堂がつくられた。招き猫といって、座って前足を挙げて、人を招くようなポーズをとった縁起物の置物がある。今戸神社が招猫の発祥地の一つだが、ほかにも自性院、伏見稲荷などにも由来が伝わる。幸運と商売繁盛のお守りとして、商店では正月に買ったものを店先にかざる。この置物が一般的になるのは明治になってからである。彦根市のキャラクター「ひこにゃん」も白猫を元にイメージされたものである。一説にこの風習は中国唐代の雑記集「酉陽雑俎」が、俗に猫が耳のうしろまで顔をあらうと、客がくるとしていることに由来するという。
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