男を破滅へ導く魔性の女ファム・ファタル
外国映画には過ぎ去った昔を回想し、不幸な結末、あるいは悲しい結末の作品が多い。そこには必ず美しい女性がいる。まるで夢の世界である。フランス映画「イヴォンヌの香り」(1994)を観る。イヴォンヌという美しい女性を演じるのはサンドラ・マジャーニ(画像)。日本に紹介されたのはこの映画1本きりという。いまどうしているか分からない。40歳を過ぎて太ったオバサンになって市場で買い物をしている姿をみかけるということは絶対にない、夢の人である。男を破滅へ導く悪女をフランス語で「ファム・ファータル」とよばれる。運命の女、宿命の女という意味で、かかわった男を破滅させる、抗しがたく美しい女であり、不吉で悲劇的な結末を予感させる。マレーネ・デートリッヒの「嘆きの天使」やシモーヌ・シニョレの「デデという娼婦」「肉体の冠」「嘆きのテレーズ」「年上の女」。1990年代になってファム・ファタールが再び流行した。「氷の微笑」のシャロン・ストーン、「薔薇の素顔」のジェーン・マーチなど。
ファム・ファタールを「夢の女」としている一文を見た。悪女に限定しなければ映画に登場するヒロインの多くは「夢まぼしろしの女」である。Femme fatale
「君がいた夏」ジョディ・フォスター、「氷の微笑」シャロン・ストーン
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ごく最近、「鑑定士と顔の無い依頼人」という映画を見ました。ここにも男を破滅に導く若く美しい女が出てきます。名優ジェフリー・ラッシュが偏屈だが目利きの美術鑑定人を演じて、謎の美女に翻弄された果ての空虚なラストは余韻が残りました。
投稿: イクちゃん | 2016年1月11日 (月) 16時34分
「鑑定士と顔の無い依頼人」監督は「ニューシネマ・パラダイス」「海の上のピアニスト」「マレーナ」で知られるジョゼッペ・トルナトーレですね。公式サイトで予告を見ましたが、機会があれば見たいです。
投稿: ケペル | 2016年1月11日 (月) 16時57分
コメントありがとうございます。「ニューシネマ・パラダイス」、「マレーナ」共に、幾度も見た大好きな映画ですが「海の上のピアニスト」は見ていないので、見たいと思っています。
投稿: イクちゃん | 2016年1月11日 (月) 18時41分