曹操「烈士暮年、壮心已まず」
曹操はたんに戦が強いだけでなく、文学者、詩人としても当代一流であった。曹操は誰よりも学問に熱心で、遠征に行くときも、つねに何冊かの古典をもっていて、敵と対陣中でも、暇があるとそれらの本に目を通していたといわれるし、晩年になっても本を手から離さなかったといわれる。
歩出夏門行
神亀は寿(いのちなが)しといえども
なお終る時あり
騰蛇は霧に乗ずるも
終には土灰となる
老驥は櫃に伏すも
志 千里にあり
烈士暮年 壮心已まず
曹操は66歳で死去している。「烈士」とは、男らしい男。「暮年」は晩年と同じ。「男らしい男というものは、晩年になっても、ひとつやってやるぞ、というチャレンジ精神を持ち続けるものだ」という意味。
« 難問世界史クイズ | トップページ | ヴェルサイユ宮殿にはトイレがなかった? »
「漢詩」カテゴリの記事
- 唐詩選二首(2019.07.12)
- 曹操「烈士暮年、壮心已まず」(2016.01.03)
- 成島柳北「歳旦の口占(こうせん)」(2017.01.01)
- 成功者のかげの犠牲(2015.12.13)
- 好雨時節(2014.07.06)
2022年岩波文庫から「曹操・曹丕・曹植詩文選」が発刊されました。
投稿: 西蒲原有明 | 2023年3月 7日 (火) 16時30分