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2016年1月30日 (土)

イワンのばか

    人間は、この世に生まれ、いろいろな悲しみや苦しみに遭遇する。それは、もはや運命としか言いようのない、複雑かつ無残なものである。一生かけて、お金や権力や栄誉などを求めても、死が誰にでも訪れるものであり、すべては無の所業であると悟るであろう。では人は何で生きるのか。この問いに答えてくれたのは、キリストや仏陀や孔子たちである。また宗教でなく文学の中で教師のようにわかりやすい作品で教えてくれた人は、世界ではトルストイであり、日本では武者小路実篤であろう。ただし実篤は太平洋戦争中には国家主義におちいり、戦争を賛美する文章を書いている。トルストイは若い頃、チェチェン人の討伐やクリミア戦争に従軍した体験から絶対非暴力の信念を強く懐いた。戦争という美名のもとでの殺人は絶対に否定した。1895年の作品に「イワンの馬鹿」という民話がある。小学校の図書室にもかならず一冊くらいはあるだろう。ほとんどの人は一度くらいは読んでいるかもしれない。だがメッセージは深くで重要で大人が読んでも考えさせられる。三人の兄弟、軍人のセミヨン、ほてい腹のタラス(商人)、馬鹿のイワン(農夫)。これはいまの日本の重要課題である憲法改正や経済重視の社会、食糧受給率が低いこと、農業軽視など、痛烈な警鐘と読み取れる。訳者の北御門二郎(1913-2004)はトルストイの思想に影響され、兵役を拒否し、死刑を免れたのち、熊本の水上村で一生農場経営しながら、トルストイ研究にその人生を捧げた。

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