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2016年1月 3日 (日)

天ぷら先生「坊っちゃん」

Photo_6    昭和42年12月7日から翌年の1月25日まで放送されたテレビドラマ「さくらんぼ」というのがあった。星由里子がテレビに初主演するというので毎回楽しみで見ていた。源氏鶏太の小説「緑に匂う花」が原作で日活映画では吉永小百合主演で「若い東京の屋根の下」という題になっている。お話しは適齢期を迎えたBG桑野蕗子(星由里子)の家庭に大学生の三上良平が下宿する。二人はお互いに好意を感じながらも会うといつも意地を張って、二人の仲はなかなか進展しない。いわゆるツンデレである。この三上という青年を演じるのが山口崇という新人だった。それまで見たこともないようなタイプの颯爽とした好青年である。それから数年またたくまにお茶の間の人気者となった。そのころ刊行された学研の「現代日本の文学」に山口は短文を投稿している。

  やってみたい「坊っちゃん」の役。新劇俳優山口崇。初めて「坊ちゃん」を読んだのは、中学一年ころだと思います。坊っちゃんのあの正義感に満ちた一徹な性格は、いまだに忘れることができない。機会があれば、ぜひ一度、舞台か映画で、坊っちゃんの役をやってみたいのが、ぼくの夢です。

E59d8ae381a3e381a1e38283e38293b2    残念ながら、ケペルは山口崇の「坊っちゃん」を見た事が無い。もしかしたら舞台であるかもしれないが知らない。これまで演じた俳優は、宇留木浩、岡譲二、池部良、南原伸二(宏治)、坂本九、高島忠夫、松本幸四郎、津川雅彦、中村雅俊、石田太郎、加藤茶、竹脇無我、柴俊夫、渡辺徹、本木雅弘、郷ひろみ(森進一が1999年に新宿コマ劇場で演じている)などが演じているが、宇留木以外は適役とは思えない。漱石の映画化はヒットしないというが、山口崇の「坊っちゃん」は昭和43年頃実現していれば、面白かっただろうにと惜しまれる。 本年は漱石没後100周年という節目で、新春ドラマSP嵐の二宮和也主演で「坊っちゃん」が放送された。17代目の坊っちゃん誕生である。ゲーム好きで知られるニノがどのような新しい坊っちゃん像をつくるのか楽しみである。

   余談ながら「坊っちゃん俳優」宇留木浩は昭和11年8月・浅草花月劇場の「坊っちゃん」千秋楽終了後、天ぷら屋で食事中、狭心症を起こして亡くなった。まだ33歳であった。

   ところで夏目漱石はなぜ明治28年4月、地方の中学へ転任を希望したのか謎とされている。これまで①高等師範でのトラブル②健康に対する被害妄想、ノイローゼなどの病気③経済的理由④失恋説、などあるが、確証はなかった。何か特別の理由があって東京を脱出したかったことだけは明らかであろう。今回、河内一郎の近著「漱石のマドンナ」によるとかなり豊富な資料にもとづき明確に失恋説を採用している。漱石が愛した女性は大塚楠緒子(1875-1910)である。小屋保治(188868-1931)との三角関係であったが、明治28年3月16日、保治と楠緒子は結婚している。漱石も披露宴に出席している。そして4月7日、愛媛に向けて新橋停車場を出発している。漱石自身は「自分は何もかも捨てる気で松山に行った」と弟子に語ったことがあるが、この間の状況を見る限り、失恋説は一番近いように思われる。漱石が大塚楠緒子への恋心を小屋保治に訴えた手紙が多数存在していたそうだが、小屋は関東大震災の直後に全て焼却したという。(磯部尺山子「漱石さんの手紙」渋柿486号、昭和29年10月1日)  現在、確実な証拠はなにも残っていない。

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コメント

待てよ、漱石の松山くだりは、失恋ではなく別の理由があったように記憶してましたが・・


あとで調べてみます。

山口崇さんといえば「天下御免」の平賀源内、「大岡越前」の徳川吉宗役が浮かびます。颯爽とし快活な役柄がぴったりでした。最近見かけないと思っていたら長唄、邦楽の方でご家族で活躍とのこと。

テレビで坊っちゃん見ていると、横書きで「天麩羅蕎麦四杯」と文字が左から右へと書かれている。どうなんだろう。明治の頃は右から左へと書くはずだが・・・?

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