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2015年11月 5日 (木)

右と左のはなし

Statue06    西洋諸国では右は善で、左は悪という考え方があった。英語のrightは、右、正しい、まっすぐな、健康な、という意味がある。ニューヨークにはある自由の女神は右手に松明を持っている。インドやインドネシアでは、物を手づかみで食べるが、必ず右手を使い、左手は不浄の手で、排泄の処理に用いる。フランス革命後の議会で、議長席から見て左方の席に急進派がすわり、右方に保守派がすわったことから、急進主義者、のちには社会主義者・共産主義者を左翼と呼び、保守的・国粋的な思想の持ち主を右翼と呼ぶようになった。

    中国では左右の何れを上位とするかは時代によって異なるが、先秦時代は左を尊んだとされ、漢初まで続いた。「左袒」とは加勢すること。「劉氏のためにつくしたいものは左袒(左肩を脱ぐこと)せよ」の故事から生まれた。漢代より後になると、右を尊ぶようになった。「座右」「左遷」はこのころの故事。「旡出其右」(その右に出る者がいない)。六朝になると官職に関しては左を上位とするようになり、唐に入るとより一層広く左が尊ばれた。

    日本でも中国の影響を受けて左を上位とするようになり、左大臣、右大臣の官位が生まれた。お雛様の段飾りに「右近の桜、左近の橘」がある。つまり雛壇に向って右側が桜、左側が橘である。東西南北の方位で言うと、東が桜、西が橘。男雛は橘の側の左に座ることになる。奈良時代後期から平安時代にかけて左大臣は藤原氏が独占したが、醍醐天皇の時代、左大臣藤原時平の讒言によって右大臣の菅原道真が大宰府に左遷されたのは有名な話である。

Haiti   また左右は伝統的な決まりごとがつくられた。たとえば配膳作法。左前にご飯を置くのは左側の上位の思想からくるものである。しかしながら通例、左をあまりよくないたとえに使われることが多い。芸者のことを左褄(ひだりづま)といい、花嫁は右褄。飲酒家を左党というのは、大工が左手で鑿を持つことから「鑿手」(のみて)のシャレからきている。会社の経営状態が悪くなることを「左前になる」という。これは死に装束が「左前」であることから、死に体に通じるからである。

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(参考:「今さらこんなこと他人には聞けない辞典」 KKベストセラーズ)

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