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2015年11月16日 (月)

貸本屋げだいばかりの学者なり

   「げだい」とは「外題」。つまり本の背表紙をいつもながめて暮らす貸本屋の主人が、中味は全く知らぬが、タイトルだけはよく知っていて、知ったかぶりの学者きどりを皮肉った歌である。貸本屋もそうだが、図書館司書という職業も怪しい。最近はデジタル化になって誰でも検索すれば、簡単に情報は得られるが、本当に読書をして本に向き合っている司書がどれほどいるか疑問である。外題を知っているのもマシなほうである。そこで外題を並べる。

考えるヒント 小林秀雄

ソクラテス 田中美知太郎

サンスクリット文法 辻直四郎

フランス・ユマニスムの成立 渡辺一夫

日本美術史講話 黒田鵬心

思想史としての現代 住谷一彦

西鶴文学の地名に関する研究 堀章男

現代のヒューマニズム 務台理作

日本語音韻音調史の研究 金田一春彦

ミニヤコンカ軌跡の生還 松田宏也

松旭斎天勝 石川雅章

老画家の一生 津田青楓

アカシアの雨がやむとき 水木かおる詩集

イスラエル宗教文化史 関根正雄

禁制不受不施派の研究 宮崎英修

石燈籠新入門 京田良志

空海思想の形成 吉田宏哲

日本浄土教成立史の研究 井上光貞

蓮如上人筆跡の研究 北西弘

古代祭政と穀霊信仰 三品彰英

C0002171_317576  われわれは文字を書くこと、読むことを当たり前だと思っている。だが、文字を読み書きできるのは人類最大の発明という学者もいる。文字はメソポタミアで生まれ、やがて古代エジプトでも使われた。ギリシア人やフェニキア人が使った文字によって今日のアルファベットが生まれる。同じころ中国でも漢字が誕生した。紀元前6世紀の孔子は古典を学び、人間の生き方を教えた。インドのシャカは悟りを開いて仏教を広めた。時代は文字の時代、書物の時代となった。紀元前5世紀の哲学者ソクラテスは文字の普及には、警戒すべきだといった。書き写せば後でも再生できるので、人間の思考力や記憶力を減退させるというのである。たしかに今日でも原稿を棒読みする政治家は頼りなくみえる。人が書いた論文を盗用したりコピペする学生や学者が増えている。人は自分で考えることをしなくなり、オリジナリティや独創性が失われていく。

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コメント

ひと昔前は、電車内の移動時間を読書にあてる人を見たものですが、いつからかほぼ全員と言って良いほどケータイやスマホを見ている光景は、異様に見えてしまいます。

車内でケータイを見る人が多いことに奇妙な空気を感じます。紙と電磁波との違いなのでしょうか。同じ文字を追っていても両者に違いがあるのは不思議です。本の読書は著者との対話があるが、ケータイからの情報は依存症気味なのが気がかりです。

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