ゴッホ全作品
ゴッホは風景画、人物画、そして花などの静物画など万物を対象として描いている。その総数は不明であるが、油彩約860点、水彩画約150点、素描約1030点が確認されている。油彩画の内訳は風景画380点、人物画250点、静物画170点である。ゴッホが重視したのは風景画と人物画であるが、「ひまわり」のように静物画に人気が高い作品がある。静物画の題材としては花が一番多いが、ほかに室内の椅子、靴、果物、陶器、瓶、聖書、魚など身近なものが多い。静止したものに限られ、猫や犬などはモデルとしてはほとんど描くことはなく、動物では牛などのように動きの少ないものに限られる。油彩が860点ということであるが、これが全作品ではない。ゴッホの絵は2度にわたって大量に失われている。最初は1885年、ヌエネンの牧師館を去ったとき、大量に残した習作を、母親が出入りの大工に頼んで処分した。大工が屑屋に売ったため、今日1点も残っていない。2度目はアントワープの絵の具屋の2階に数ヶ月間借りして、1886年にそこからパリに出発したが、部屋代を滞納していたため、かなり大量に描いた絵を置きっぱなしにして出た。これも1点も残っていないといわれる。おそらくゴッホの油彩画が全部残っていれば1000点を超えるものと思われる。
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