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2015年8月14日 (金)

昭和の香りがする女優

  赤川次郎のエッセイがなかなか面白い。「かつて、ビデオが存在し たころ、私たち映画ファンは小さな名画座を必死で捜して見ていたものである。今いくらでもDVDで見ることができる過去の名作の映像的記憶が、若い監督の作品に活きていると感じさせられることが少ない」と述べている。なんとなくわかる。荒戸源次郎「人間失格」やSABU「蟹工船」を見ても今ひとつ心をうつものがない。

   朝日新聞の「あなたが選ぶ昭和の名女優」beランキングを見ても、しっくりとこない。たとえば回答者が30歳の映画ファンで、DVDで過去の名作をみたとしても、それは商品化されたものだけを見ただけで、ほんとうにその時代に公開された作品はDVDにないものも多くある。いわば歴史で淘汰されたものからチョイスしているにすぎない。まして舞台とならば、同時代性がないから選択できないであろう。このような条件の中でランキングをしても無意味であろう。

  昭和2年といえば、岡田嘉子が京都で「椿姫」の撮影中にプレイボーイの竹内良一と失踪し、世間をアッといわせた年である。代役は夏川静江にかえて撮りなおした。タクシーといっては昭和の香りがしないが、「円タク」といえば昭和の香りがする。佐久間妙子の「円タク稼業」、浦路輝子の「円タク」、環泰子の「円タク坊ちゃん」と銀幕はタクシー映画が流行した。

    昭和の香りがする銀幕の女優といえば、やはり戦前、あるいは戦中から戦後にかけて活躍した女優のなかから選ぶのが妥当ではないだろうか。田中絹代、高峰三枝子、高峰秀子、山口淑子、原節子、水戸光子、山根寿子、轟夕起子、木暮実千代、高杉早苗、川崎弘子、三宅邦子、夏川静枝など映画界から選ぶことができる。(参考:赤川次郎「ドイツ、オーストリア旅物語27 生と死の世界17」波450)

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コメント

昭和の香りのする銀幕の女優は、ケペル先生の挙げられた女優たちが相応しいと私も思います。
ただ 山田五十鈴と花井蘭子が入っていなかったのは、ちょっと残念です。
これからも楽しいお話をお聞かせください。

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