画家のヒッチコック
ヒットラーとかチャップリンという姓は珍しい姓であろう。ヒッチコックはどうだろうか。ヒッチコックといえば誰しもが「スリラー映画の神様」「サスペンス映画の巨匠」アルフレッド・ヒッチコック(1899-1980)を思いうかべるだろう。ケペルはかねがね「ヒッチコック」という姓は珍しいのか、ありふれた平凡な姓なのが疑問に感じていた。もしも平凡な姓だとすれば、アルフレッドも平凡なので、名前にそれほどのミステリー性はないのである。欧米人でないので、ヒッチコックが珍しいかそうでないかは分からない。だが最近はネットで探せば、だいたいのことはわかる。結論を言えば、珍しい名前ではない。ジョージ・ヒッチコック(1850-1913)というアメリカの印象主義の画家が有名である。ロード・アイランド州のプロヴィデンス生れ。20歳代には弁護士の仕事を捨てて、芸術の勉強のためロンドンに3年間滞在し、そのあとパリに行き、オランダのハーグのヘンドリック・メスダグに師事した。写実主義的な伝統と宗教性ある風景画を得意とした。美術史というのは、次代につながるパイオニア的存在をとりあげていくので、古いスタイルの画家はとりあげられない。ジョージ・ヒッチコックは19世紀写実主義が印象主義の後追いなので美術史には登場しないものの、作品を単独で鑑賞すれば名品である。
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