大淀三千風
大淀三千風(1639-1707)は松尾芭蕉と並び称された三重県松阪市射和出身の俳人で、41歳のとき一昼夜に三千句を詠んだことから、それ以後「三千風」と名乗る。「松島眺望集」(1682年)を刊行し、全国に松島の佳景を知らしめた。芭蕉が「奥の細道」の旅に出ることを決意したのもこの本の影響とされている。三千風は全国行脚し、北は岩手・秋田から西は熊本・長崎まで約15200㎞に及び、途中、立山・白山・富士山などに登り「日本行脚文集」全7巻(1690年)を刊行した。
鴫立し 沢辺の庵を ふきかえて こころなき身の 思い出にせん
三千風は「日本行脚文集」のなかで、コーヒーを皐蘆(南蛮茶)と書き残している。これが日本最古のコーヒーの記述だと言われている。
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