フェティシズムの語源
18世紀には未開宗教や古代宗教の比較研究や宗教の起源の研究が進み、フランスの作家ド・ブロス(1709-1777)は「フェティッシュ諸神の崇拝」(1760)を書いて、ポルトガル人の水夫が西アフリカに旅行したときに、土人の間で、石・木・貝殻・羽毛・歯・爪等の自然物を呪物として崇拝するのを観察した。それがポルトガル人の礼拝と似ていると思い、それをポルトガル語の「フェティソ(fetico)・護符」と名付けたことから、宗教学者の間で、「呪物崇拝」のことをフェティッシュ(fetish)、またはフェティシズム(fetishism)と呼ぶようになった。さらにアルフレッド・ビネー(1857-1911)が本来性的な対象でないものに性的魅力を感じることをフェティシズムと呼ぶことを提唱した。フロイトもエロティックな物に心的エネルギーを注ぎ込まれる現象を呼んでいる。
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