慣熟飛行
東京都調布市の民家に小型プロペラ機が墜落した。飛行目的は「慣熟飛行」と届け出されていたが、実態は遊覧飛行である可能性が高い。「慣熟飛行」という語は広辞苑にもなく、意味もあいまいなところがある。見た目は四字だが「慣熟」と「飛行」の二字が合わせただけの四字漢語で、四字熟語とはいえない。「慣熟」とは物事に慣れるという意味でふつうの国語辞典に見える。操縦士は操縦する機種を変える場合、新しい航空機に合う機種免許を新たに取得しなければならない。しかし免許取得はほとんど模擬飛行装置で行われる。したがって実際の飛行機は免許取得後に初めて運航するケースが多い。このため免許取得後、航空機の操縦に慣れるまでの訓練飛行が必要になる。これを「慣熟飛行」という。
「慣熟飛行」は四字熟語といいにくいが、「一期一会」や「一発逆転」を四字熟語とみなす人は多い。私は四字熟語を次の三つのランクに分けている。
A 中国の故事に由来し、中国人がみても意味が通用する・・・四面楚歌
B 見た形が四字漢語で、日本で広く使用されて深い意味がある・・・一期一会
C 熟語として未成熟で故事も深い意味もないもの・・・一発逆転、玉音放送
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