ヨーロッパの高級娼婦たち
人類最古の職業は売春、とはよく言われるが、お堅い世界史の本にはほとんど記述がない。18世紀のパリや19世紀ロンドンと繁栄を極めた大都会にはかならず夜の女が多数いた。ルネサンス時代のヴェネティアは商業都市として栄えたが、毎日が祝祭のようなもので、世界一、淫靡な都会だった。コルティザンと呼ばれる娼婦が多数いた。娼婦たちのファッションも異彩を放っており、画家や小説家たちの芸術的なインスピレーションの対象でもある。娼婦たちの階級の違いもなかなか厳しいもので、たとえばヴェネティアでは、下層の娼婦たちを、コルテザーネ・ミノール・ソールテと呼んだ。これに対して、高級な娼婦たちは、コルテザーネ・ファモッセといった。高級娼婦は美しいだけでなく、教養も高く、話し上手で男性たちを楽しませる方法を知っている。ベロニカ・フランコ(1546-1591)の優雅さと知性はヨーロッパ中に知られており、彼女の作った詩は、イタリア文学史に残るものである。(コルテサン、cortigiana、courtisane)
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