セルビア
セルビアの映画「インモラル・ガール」(2015)がカンヌ映画祭で話題となった。主演の女優ヨヴァーナ・ストイーリコヴィッチがヨーロッパでは人気だ。2014年ボスニア・ヘルツェゴビナでカヴリロ・プリンツィプ(1894-1918)の銅像が建設された。当時19歳だったプリンツィプは、1914年、オーストリア・ハンガリー帝国の皇位継承者だったフェルディナント大公夫妻を暗殺した。除幕式では、拍手が巻き起こり、銅像を一目見ようと大勢の群集が沸き立った。ボスニア・ヘルツェゴビナ国内には、彼を英雄とみなす意見、テロリストとみなす意見が存在する。伊藤博文を暗殺した安重根も日本ではテロリスト、韓国では英雄、独立運動家とされる。しかしプリンツィプの場合は安重根のように簡単ではない。サラエボ事件が引き金となって、第一次世界大戦が起こり約3700万人の犠牲者が出たからである。日本の高校教科書が彼の名前をふせて「セルビアの一青年に暗殺された」という記述がよいものなのか疑問におもう。Jovana Stojiljkovic
« 弟子の足を洗うキリスト | トップページ | コール・ポーター »
「世界史」カテゴリの記事
- ムハンマドの死後(2024.10.06)
- 世界史探求(2024.05.21)
- ルイ3世(西フランク王)(2024.04.10)
- 唐賽児の乱(2024.02.28)
- ハーグ密使事件(1907年)(2024.02.10)
コメント