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2015年7月 1日 (水)

「吾輩は猫である」登場人物のモデル考

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    「歴史ヒストリア」漱石と妻と猫。猫が漱石夫婦の絆をとりもったという話である。再現映像の鏡子に扮した大塚千弘が好演。夏目漱石の「吾輩は猫である」は中学生のときに読んだきりで、本当にじっくりと味わっていなかった。先日、市川崑の映画(1975年)を見ていると、苦沙弥先生の姪で雪江という女学生が登場する。島田陽子で入浴シーンもあるが、原作にそんな箇所があったのか覚えがない。映画は1936年の山本嘉次郎の作品もあるが、再度みると市川崑の作品はよく出来ていると思う。もう「吾輩は猫である」を映画化する企画などはないと思うと、登場するキャラクターに妙な懐かしみを感じる。主人公の珍野苦沙弥は漱石自身の自画像とみてさしつかえないが、一説によると狩野亨吉とも言われるようである。京都帝国大学文科大学長となったが僅か2年で辞職し、以後、官職につかず、書画の鑑定売買によって生計を立てながら質素な独身生活を送った。苦沙弥の姪の雪江を目当てに、口実をつくってはよく顔を出す迷亭や寒月にもモデルがいる。金縁めがねの美学者・迷亭は東京帝国大学教授、大塚保治(1869-1931)である。バイオリンを弾く理学者・水島寒月は寺田寅彦(1878-1935)。詩人の越智東風はわからない。学生時代に漱石に文学を勧めた哲学者の米山保三郎(1869-1897)は登場しないが、会話中に「天然居士」として出てくる。そして雪江さんのモデルは誰なのだろうか。

   主人は夕飯をすまして書斎にはいる。細君は肌寒の襦袢の襟をかき合わせて、洗いざらしのふだん着を縫う。子供は枕を並べて寝る。下女は湯に行った。

   年をとってから読み直すと、ユーモア小説もどこか哀しい雰囲気が漂って感じられる。

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