スティーヴン・リーコック
「カナダの有名な作家は?」とたずねると、10人中みんなが、「赤毛のアンの作家」と答える。ルーシー・モード・モンゴメリ(1874-1942)の作品は村岡花子、中村佐喜子、岸田衿子、猪熊葉子、松本侑子、掛川恭子などの翻訳で日本では今も広く読まれている。ウィキペディアの「カナダ」の項目では、他にマーガレット・アトウッド(1939年生まれ、代表作「侍女の物語」1985年)という女流詩人も記載されていた。しかし、カナダの作家はこれだけなのだろうか。日本でのカナダの文化や歴史の情報があまりに少ないのに驚く。
調べてみると、スティーブン・バトラー・リーコック(1869-1944)という作家がいる。生まれはイギリスのワイト島で、8歳の時にカナダに移住している。 つまりイギリス系のカナダのユーモア小説家。モントリオールのマギル大学の政経学部の教授を勤めながら、ユーモアと風刺あるエッセイ風の作品やミステリーを多数残している。マーク・トウェイン以来の最も人気のあるユーモア作家である。
リーコックの代表作に「町のひなた点猫」(「小さな町の陽気なスケッチ」)(1912)をはじめとして、「ナンセンス小説集」(1911)、「わがイギリス発見」(1923)がある。文芸批評家として健筆をふるい「マーク・トウェーン」(1932)、「チャールズ・ディケンズ」(1933)などの評伝がある。ほかに自伝「あとに残した少年」(1946)がある。他に「ミステリ狂、或いは迷探偵」「二百歳まで生きる法」「億万長者になる法」「善行魔」「逆行魔」「騎士道残酷物語」「Qある怪奇心霊実話」「名探偵危機一髪」「スパイ戦線異常あり」「バッガム屋敷の怪」「架空会見記」「ゴルフ虎の巻」「奇術師の復讐」「手相をみせて」「衣服病理学」「ABC物語」「欠陥探偵」「人生成功の秘訣」「専門化が進めば」「わが財政的履歴」「ミステリこの優雅な娯楽」等多数あるが現在入手は困難。
リーコックの人生訓は広く知られている。
幸運とは、自ら動かない限りは、決して訪れないものだ
* * * * * * * *
人生の進み具合というのは、なんと奇妙なものだろう。小さな子供は「もっと大きくなったら」と口にする。だが、どうしたことだ。大きくなったら子供は「大人になったら」と言うではないか。そしておとなになったら、「結婚したら」と言う。けれども、結婚したらいったいどうなるのか、考えがコロリと変わって、「退職したら」と来る。やがて、退職が現実のものとなると、自分の過ぎし日の光景を思い浮かべる。そこには木枯らしが吹きすさんでいるようだ。どういうわけか、すべてを取り逃がしてしまった。もはや過ぎ去ってしまったのだ。そして、遅ればせながらわれわれは学んぶ。人生とは、生きることの中、つまり毎日毎時間の連続の中にあるのだということを
( keyword;Stephen Butler Leacock,I'm a great believer in luck,and I find the harder I work,the more I have of it.)
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すこし前の記事ですが、リーコックの作品の中でも傑作の誉れの高い「逆行魔」は翻訳されてます。
早川書房の「ユーモアスケッチ傑作展」の(1)
に収録されています。全三巻の内 (1)です。
90年代になって前週からのピックアップ版の
文庫本が二冊出て、その内の「忘れられたバッハ」(ハヤカワ文庫) にも収録されて います。
二冊とも絶版ですが、アマゾンなどで簡単に買えますので お勧めします。リーコックの作は一つだけだったと思いますが 他にも面白い作家が
多く 紹介されています。
投稿: 松助 | 2018年8月20日 (月) 12時07分