ウサギとカメレオン
足の速いウサギがカメと競争して負けるお話「ウサギとカメ」はイソップ寓話にあり、世界各国で知られている。平凡社「世界大百科事典」(1998年)には「1593年、天草で刊行された伊曽保物語にその最初の形が認められる」とあるが、実際には天草版にこの話はない。1600年に刊行された古活字版伊曽保物語にもない。近世の出版物から「ウサギとカメ」の話は文献上発見されていない。日本で普及したのは明治になってからと考えられている。ところでさまざまな動物を変えた「ウサギとカメ」が世界にはある。東アフリカのタンザニアの民話ではウサギとカメレオンが競争する。カメレオンはスタートした途端にウサギの尾に飛び乗ったが、猛スピードで走るウサギはそのことに気がつかなかった。ゴールの直前でカメレオンはウサギから飛び降り「同着だね」と言いましたとさ。(参考:荒俣宏「世界大博物館3両生・爬虫類」)
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