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2015年7月21日 (火)

ハンムラビ法典

Photo    無差別殺傷事件など凶悪な犯罪が多発する現代、日本人は厳罰を求める声が根強い。内閣府の世論調査でも死刑制度の存続は「やむを得ない」との回答が85.6%に上り、1994年の同調査開始以来、過去最高になっている。死刑容認の理由としては「廃止すれば被害者や家族の気持ちがおさまらない」「凶悪犯罪は命をもって償うべきだ」「死刑を廃止すれば凶悪犯罪が増える」がある。

    今から3600年ほど前の古代バビロニアのハンムラビ王が発布した法典に「人がもし他人の生命を奪ったときには、その生命でもって償わせ、目を傷つけたときには目でもってそれを償なわせる」(196,197条)という規定があった。「同害復讐法」とか「同態復讐法」とか呼ばれるもので、古代刑法上広汎にみられるが、ことにセム系に顕著であり、楔形文字法系をはじめ、ヘブライ法系、イスラム法系にもみられる。これらをタリオtalioと呼ぶのはローマの十二表法における自由人の四肢の傷害に関する規定で、「若し一肢を損ない、妥協を遂げないものは、タリオに處すべし」に由来する。Si membrum rupit,ni cum eo pacit,talio esto.7.10

  タリオは日本法でも絶無ではなく、京都所司代板倉勝重が慶長年間に制定した「板倉氏新式目」約60条には「刃傷切返」という稀例がみられる。

  タリオは原始的な刑罰規定とみられるが、ハンムラビ法典の趣旨は犯罪に対して厳罰を加えることを主目的にしていたわけではない。「目には目を」は現代では、「やられたらやりかえせ」の意味で使われるが、むしろ「倍返しのような過剰な報復を禁じ、同等の懲罰にとどめて報復合戦の拡大を防ぐ」のが本来の趣旨であった。(Code of Hammurabi、Lex talionis、世界史)参考:田中周友「世界法史概説」

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