ザビエルは「シャビエル」という
シパーヒーの反乱
1857年5月10日、東インド会社のインド人傭兵が反乱を起こした。むかしセポイの反乱と覚えたがいまは「シパーヒーの反乱」と原語に近い発音をしているようだ。これは現地呼称主義といって、なるべく現地の人がする発音に近いようにしようとする考えからきている。最近は「インド大反乱」とも言っている。
最近のNHK高校講座を見ていると、自分が記憶している読み方や表記と異なる場合がある。先日も西暦663年8月27日の「白村江の戦い」を「はくそんこう」と講師は読んでいた。これまで慣行的に「はくすきのえ」と読むことが一般的であったが、現代では改められているようである。ヤマト政権とカタカナ表記も奇妙である。これは「大和」と漢字で書くようになったのは8世紀ごろからなので、3世中葉の古墳時代はヤマト政権として区別しているのだろう。「蒙古襲来」「元寇」「文永弘安の役」は「モンゴル襲来」と表記を改めている。「イスラム」は「イスラーム」と伸ばして発音するほうが原音に近いそうである。三十年戦争の講和条約ウェストファリア条約はウェストファーレン条約という。メソポタミアのウルやエラムで発見された階層状の基壇をもつ聖塔「ziggurat」は、これまで自分は「ジグラト」「ジグラート」と発音していたが、先日の放送では「ジッグラト」と読んでいたイントネーションが変わっていた。「ジッ」と強くアクセントをおくと、ずいぶん感じが異なるので驚いた。本を調べても、最近のものは「ジッグラト」となっているものが多い。やはり何事も注意深く学習する必要があるようだ。人名は出生地主義によって、マホメットは「ムハマンド」、ジンギス・カンは「チンギス・カン」、マゼランは「マガリャエンシュ」「マガリャンイス」という。マゼラン海峡はマガリャネス海峡。サラディンは「サラーフ・アッディーン」という。フランシスコ・ザビエルは「シャビエル」という当時のスペイン語読み。画家バン・ダイクはファン・デイク。アメリカ大統領リンカーンは「リンカン」と表記されている。日本史では鎌倉幕府成立は1192年ではなく「1185年」。大阪府堺市にある「仁徳天皇陵」は「大仙古墳」と呼び名が変わった。日本最初の貨幣は「和銅開珎」でなく「富本銭(ふほんせん)」。「大化の改新」は「乙巳(いっし)の変」。
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